第14回 日本語による神道文化入門講座 

神道文化特別セミナー

「国際社会への神道の貢献 ― ISFのめざすもの 」


講師:梅田善美理事長

   

 平成19年3月4日(日)午後4時より、ISF NYセンターで、第14回日本語による神道入門講座が開催された。梅田理事長は、ISFを設立した経緯や今後の展望について説明、ついで着任したばかりの太田垣オフィサーを20名を越える参加者に紹介し、協力を依頼した。太田垣オフィサーは、亘世(のぶよ)という名前のとおり、のびのびとやっていきたいと挨拶した。

【講話要旨】
   神道国際学会は、神道に関する学術的文化的研究を促進し、神道への理解を深めるために設立された非営利活動法人です。宗教団体ではありません。設立にあたった人々は、神道に結びついた研究がなくては日本人と日本文化への真の理解はできないと考えて、この会を発足させたのです。
 神道国際学会では、神道に関連した様々な問題についての討論や議論を積極的に奨励しています。理事会には、神道界のリーダーの他にも、新宗教の代表や、またヨーロッパ、アメリカ、アジアの著名な日本文化研究家なども参加しており、定期的にセミナーやシンポジウムまたはワークショップや学会が開かれ、毎年、英語、中国語、ロシア語による神道を座標軸とする日本思想文化に関するエッセイコンテストを行っています。
 神道国際学会は、神道が日本及び外国で広く誤解されているという認識から設立されました。今でも神道は20世紀の半ばに日本を戦争へと駆り立てた忌まわしいイデオロギーの源流だと思われています。
 とくにアジアにおいて、神道は日本の軍国主義の精神的支柱と見られ、欧米諸国では最近まで学術的研究の対象として価値のないもののように思われていました。
 21世紀に入り、ますます個々の教義を超越した宗教間の協力は当然のものとして見なされ、実際に多くの活動が頻繁に行われています。インターネットによるグローバルな通信網が張りめぐらされているなか、言挙げしないことで知られてきた神道は、このまま孤立しては生き残れないのです。私たちは失われた時間を取り戻し、神道へのよりよい理解を急務として国際的に推進する努力をしなければならないと考えています。
 「神道とは何か?」「神道はどのように日本人の形成に寄与し、日本文化を豊かにしたか?」「21世紀の国際社会へ神道はどのように貢献できるか?」これらは十分に議論し、かつ徹底的に討論すべき問題であります。神道と人間、神道と自然、神道と国際社会に関するこのような問題に取り組むために、神道国際学会は設立されたのであります。


★ 前回の入門講座の様子はこちらからどうぞ ★