2004年は「国際コメ年」




ISFは国連の分科会で「おコメ、私たちの命」を強調

ISFでは、2004年が国連の提唱する「国際コメ年」にあたるところから、2004年9月8日〜10日の三日間、ニューヨークの国連本部で開催された国連広報局主催のNGO世界総会の中で、フィリッピン政府国連代表部および食糧農業機関(FAO)ニューヨーク事務所の協賛のもと『世界のコメ消費人口の経済的、社会的、文化的重要性』と題して、9月9日の午後1時15分から2時45分まで約100名の出席者を得て、分科会を開催した。
モデレーターは国連経済社会理事会のNGO事務局長であるアニファ・メズイ女史が務め、以下の3名の発題講演が行われた。

1)ラウロ・バハ二世・フィリッピン政府国連代表部大使
<コメとフィリッピン人ー貧困の減少と自給体制> 
2)フローレンス・チェノウエス・FAOニューヨーク所長
<国連の掲げる「今世紀発展目標」を達成するためにコメが果たす重要性> 
3) 米山俊直・前大手前大学学長・神道国際学会理事
<コメの文化的価値ー日本の歴史から> 

これに対して、活発な多くの質疑応答が行われた後、梅田善美理事長が次のようなステートメントを読み上げ、満場の拍手を得て、本分科会の結論とした。



 2004国際コメ年のスローガンは"Rice is Life"(日本語訳:−おコメ、私たちの命−)である。国連の掲げる「今世紀発展目標」の第1ゴールには、[極度の貧困と飢餓の解消〕が掲げられ、一日1ドル以下で暮らす人々の数の半減と餓えに苦しむ人々の半減をめざしている。世界の総人口の半分以上がコメを主要な食料にしていることは大変意義深いことである。たとえば、日本人は世界一の長寿国であるが、その主食はコメである。今般、国連広報局主催の世界NGO総会に集まった民間団体の代表たちは、この分科会が取り上げた『世界のコメ消費人口の経済的、社会的、文化的重要性』をアピールし、国連が提唱する「今世紀発展目標」の達成と結びつけて、コメの生産技術改良や増産をはかることに、ともに手を携えて、国連の経済社会理事会や広報局と協同することを希望する。ISFはこの分科会の主催者として、そのためにいっそうの努力を惜しまない。

この分科会は国連本部内でおこなわれたため、NGO総会参加者以外は出席できないので、ISFは対外的にもコメの重要性をアピールするために、9月9日の夕方に、国連本部に近い日本レストラン「イースト」を会場に「寿司から餅まで」と銘打ったレセプションを催した。ISFの招待に応じた諸国政府国連代表部の大使や書記官を含む約100名の出席者は、まず、米山俊直博士の「コメの文化価値」の講話を聴いた後、同レストランのシェフが握る寿司を味わい、コメから醸造された日本酒の杯を重ね、カフェ・オムスビが提供するさまざまな具をあわせた「おむすび」に関心をしめし、さらに、源吉兆庵提供の「餅菓子」とともに武者小路千家流の茶道点前により抹茶のもてなしを受けた。その間、琴の演奏もレセプションに花を添えた。