神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
第62回神宮式年遷宮「お木曳・一日神領民」

“ 清き渚で「浜参宮」 二見興玉神社 片山宮司

「お木曳」奉仕前に心身清める神領民

「お伊勢さん参拝前に潮風にあたって」片岡宮司
 夫婦岩≠ナ有名な二見興玉神社。

  「ここ二見浦は古来より清き渚≠ニ言われ、お清めの社であることが最大の御神徳なのです」
  と、片岡照雄宮司は神宮参拝に先立ち同神社で心身を祓い清める「浜参宮」を行なう意義を力説する。
  とくに今春から「式年遷宮」の御用材を神宮に曳き入れる「お木曳」行事が始まり、二見浦は連日、お木曳に奉仕する地元伊勢の神領民や、応募で全国から奉仕に加わる一日神領民の参拝でにぎわいをみせている。
  本来は、二見浦の海水に身を浸して禊を行ずるのだが、現在では、神社の神前に参拝し、沖合の海中に鎮まる「興玉神石」から採る「無垢塩草」の幣で祓いを受ける。心身ともに、文字通り清浄になったところで、「お木曳」に奉仕するのである。
  実際、ここは「禊浜」とも呼ばれる禊場であり、今でも禊の会などがたびたび行なわれ、修行者の気合いのこもった祓詞が聞こえてくる。
  「といっても、禊は片手間ではできないので、一般の方々は、お伊勢さんへ参るまえに参拝し、ぜひ潮の気といいますか、潮風にあたっていただきたいものです」と片岡宮司。
  この言葉を受けて、権祢宜の竹内理氏も、「『一日神領民』の方々にとっては神宮に御奉仕できる貴重な機会だと思います。観光気分だけだとせっかく受けた潮風の息吹もどこかに飛んでいってしまう。御奉仕という意識をもってお祓いを受けていただければありがたい」と浜参宮を呼びかけている。

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