神道国際学会会報:神道フォーラム掲載 |
書評 : 『神宮史年表』 |
項目二万五千件 神宮史の全貌を展観できる一大年表 神宮に関わる重要事項、25000件を収載した一大年表が登場した。 もとより、神宮に関して記述した史・資料、文献は気の遠くなるほど膨大で、それらを基に神宮史を纏め上げるのは、ポイント的に押さえていく[年表]であっても、いや取捨選択が肝要となる[年表]であるからこそ、至難の作業であろう。重要事項を収録するといっても、B5判形で300頁、25000項になるのである。原稿作成と編集作業にあたった神宮の関係者の労苦がしのばれるというものである。 大神御鎮座以前、崇神天皇六年、豊鍬入姫命をして倭笠縫邑に奉斎する(『日本書紀』など)の記述から始まり、平成九年事項に至るまで、西暦、天皇、不明以外は月日ともに記載する。すべての項目に出典を掲げ、史実の正確を期している。その場合、適宜、「註」を付して、巻末の別掲で、引用した出典の該当部分の記述を紹介している。 このあたり、神宮史を研究・調査しようとする者にとっては、当『年表』を基本として、さらに原典にあたっていけるわけで、非常に便利なのではないだろうか。 巻頭、北白川道久神宮大宮司の「発刊にあたって」に「神宮の由緒典例を展観できる」とあるように、研究者にとっても、一般の者にとっても、神宮史・神道史に対する興味を喚起させてくれる『年表』である。 なお当『年表』は第62回式年遷宮の記念出版として上梓された。 ▽神宮司廰編 ▽B5判、305頁、10500円 ▽戎光祥出版=電話 03(5275)3361 |
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