神道国際学会会報:神道フォーラム掲載 |
From Abroad - 外国人研究者紹介 ルチア・ドルチェ博士 ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)助教授 同学院日本宗教研究センター所長 |
日本中世の複雑な宗教状況―― その実態解明に成果 「儀礼」を新たな視点に更なる研究へ 立命館大学の招待で現在、9ヶ月間の予定で滞日中。このほど、「同大学 世紀COEプログラム」と「ロンドン大学SOAS日本宗教研究センター」共催による国際シンポジウムを、日本学術振興会も巻き込んで企画・運営した。ほかにも研究機関や研究者らとの会合、出版社との打ち合わせ、専攻である日本中世の宗教・思想の調査……。その合間にも「日本宗教研究センター(CSJR)」のことが頭を離れず、電話やメールでロンドンに連絡や指示を送る。超過密な滞在スケジュールをバイタリティーでこなしている。 ◇ ◇ イタリア生まれ。ベネチア大学で東洋・日本の宗教思想を専攻し、オランダのライデン大学で日本思想に関する論文により博士号を取得した。この間、上智大学に留学し、さらに中世仏教の研究のため立正大学に籍を置いた。1998年、ロンドン大学SOASの中にCSJRが開設されるとともに招聘があり、渡英し現在に至る。東京大学や早稲田大学の客員研究員もつとめた。 ◇ ◇ ◇ 「そもそも日本の前近代における宗教状況は、宗派の純粋な教理で区分することはできない。中世の各派神道もそうだし、端的に言えば、いわゆる神仏習合でしょう」 SOAS日本宗教研究センターの充実にも尽力 CSJR設立にあたって本会は全面的に支援した。CSJRでは研究推進とともに毎年国際ワークショップを実施し、月に数回のペースで公開講演会を催すなど、日本宗教に関する知識の普及に努めている。 |
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