神道国際学会会報:神道フォーラム掲載 |
新刊紹介 |
『いま絶対必要な「霊・力・体」三元哲理 ―神人一致、霊・力・体の三大学則―』 長掛芳介 著 出口王仁三郎の碑文「神人一致」「学則」を柱に 京都・丹波の亀山城跡に建つ一つの石碑。そこに刻まれた碑文を柱に、論考は展開する。この碑文は大本の聖師、出口王仁三郎によるもの。本書冒頭に載せられているし、また書名・サブタイトル・主題に密接に関係しているので、まずは同文をそのまま紹介しておかねばならないだろう(碑文の前半部のみ)。 ◇ 神人一致 神は万物普遍の霊にして、人は天地経綸の主体なり、霊体合一して、茲に無限の神徳を発揮す 学則 神の黙示は即吾俯仰観察する宇宙の霊力体の三大を以てす 一、天地の真象を観察して真神の体を思考すべし 一、万有の運化の毫差無きを視て真神の力を思考すべし 一、活物の心柱を覚悟して真神の霊魂を思考すべし ◇ あのライアル・ワトソン博士(自然科学者)も感動したというこの碑文。著者は、日本人が人類が人間学や自然学の普遍の哲理・原則をつかみ、未来に向かって「一流への道」(三流五流ではなく)を歩むための根本が、この文には凝縮されていると見る。 碑文自体、決して理解し易い内容ではない。石碑のある亀山城の、戦国時代の居主だった明智光秀には「逆賊」「英雄」という正反対の歴史的評価があって、真相究明には通説に囚われない歴史研究と観察が必要なごとく、この碑文の理解に関しても、著者は「発想の大転換」を我々に促しているかのようだ。 終始一貫して、「霊・力・体」三元論の思想や、「霊主体従」への発想変換の必要性が強調される。だが、決して日常から遊離した話ではない。生活の指針や経済・社会、健康の問題など、我々の日常に敷衍して、哲理は語られていく。 ▽B6判、223頁、1890円 ▽みいづ舎=0771-21-2271 ---------------------------------- 『日 本 霊 界 風 土 記』 深 見 東 州 著 実践を旨とする神道家が訪れ、祈り、感じた、日本全国、聖なる神域の見せる素晴らしきパワー。神秘主義的な側面が強調されるが、そもそも人々は、知的満足のためにではなく、心に溜まった疲労を癒し、明日からまた頑張るための活力を得るために聖地を巡るのであろう。かつて、伊勢信仰の庶民への普及と教化に、地道ながらも重要な役割を担った「御師(おし)」と呼ばれる人たちがいた。著者はこの「御師」のごとくの案内人でありたいと願い、各地の霊域の意義論を展開する。膨大な講演録から抜粋し、まとめたもの。既刊「富士・箱根」「伊勢」「磐梯」「鹿島」「浅草」に続き「熊野」が出た。 ▽平均で約120頁、各巻とも1005円 |
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