神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
新刊紹介

宗教法人のプロが教える
神社寺院のわかりやすい実務とラクラク会計

公認会計士・税理士 治田秀夫 著

 宗教法人の会計実務をわかりやすく網羅した参考書。各種手続きや証明書類の整備、会計・計算書類の作成、税務への対応など、その実際と書式を、多くの実例を掲げながら解説している。
 課税や寄付金などに関する事項と処理については、公益法人の名のもとに実務担当者もつい、安易な帳簿で済ませてしまいがち。
だが、公益法人には公益法人なりの、宗教法人には宗教法人なりの法的な手続きや処理義務、申告義務があり、その基本をきちんと理解していないと、所轄官庁や税務官庁との軋轢も起きかねない。
 本書は、宗教法人に特有の事案を考慮しつつ、事務担当者はもちろん、責任役員や、宗教法人に関わりをもつ関係機関の人たちも対象に、実務における活用に至便な必携図書であることをめざしている。
 章立ては「宗教法人の基礎知識」「組織と運営について知っておこう」「会計のルールを理解する」「固定資産税にはこう対応する」「消費税の処理はこうする」「『寄付』はこのように計上する」。ほか「付録」として関係法規(一部は抄録)を載せている。 ▽200頁、2415円、戎光祥出版=03(5275)3361

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『えんぴつでなぞる・
  CDで歌える 百人一首』

 百人一首は、古(いにしえ)の時代より日本人の心情に、四季の感動や情愛の表現と深く結びつき、また古典文学とのかかわりへの窓口としての役割をはたしてきました。
 鎌倉時代の歌人である藤原定家が、天智天皇から順徳天皇までの約五百七十年間に詠まれた歌のなかから撰んだものとされ、室町時代から江戸時代にかけて、公家や町人の遊戯・教養として親しまれてきました。今日でもかるた競技などでますます盛んになっております。
 「百人一首」とよばれるものには、「新百人一首」「武家百人一首」「女房百人一首」などがありますが、最も親しまれているのが「小倉百人一首」でありましょう。
 小倉百人一首は古今集が後撰集、拾遺集など、すべて勅撰和歌集から集められています。そのテーマは恋、春夏秋冬、旅、別離、雑など、当時の人々の暮らしや生死観、自然への憧憬が五七五七七の調子で詠われています。
 この百人一首の名歌を、「披講(ひこう)」という伝統的な歌い方で歌うということは、大変意義深いことと言えましょう。この度の本書には、CD二枚に各五十首ずつ、宮中歌会始で用いられる「綾小路流」披講の調べで歌った音源も付けられています。
 古き歌人(うたびと)たちに思いを馳せつつ、CDから聞こえてくる典雅な披講の調べを味わいながら、なぞり書きも楽しめ、実際に声に出して歌う楽しみも体験できるという本書は、和歌(うた)は、「歌われてこそ歌」の真義をわかりやすく伝えています。
 (林純一=公家・武家伝統文化研究会主宰、星と森披講学習会講師)
▽215頁(CD付き)1680円(税抜き) ナツメ社


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