神道国際学会会報:神道フォーラム掲載 |
伊勢本街道を歩く
(3) 三輪 吉井貞俊氏 |
三輪も旧街道の風情をよく残している街なので一層感じてしまうのであろうが、街道の中に新建ちの家がポツンと所在する。その時どうしても、なにか歎かわしいと思ってしまうものであるが、いやまてヨ、それは自分達は現代的な住宅に住んでいるのだから、この三輪に住む人も同じく時代に添って快適な住生活をし始めてもよいわけ、むしろ結構なお家に建て替えられましたネと親類縁者から祝福されている事であろう。つまりここで一歩踏み止まって思うことは、近代的にどんどん変って行きなさい。如何なる時代になっても目ざす伊勢の神宮は変わらぬ姿をされている。街なかが変れば変る程、神宮の崇高さが際立ってくるという云い方が出来るとも思われてくる。左様な事から、この際の妥協点は、あまり突飛な建物は控えて下さったら如何。施主がそう希望しても設計者が心得事として街道の風情を加味してのたたずまいを考慮する事、その実行を願うや切である。 (絵・文とも吉井貞俊:絵は本誌に掲載) 本会会員吉井貞俊氏は現在、兵庫県西宮市に在住し、西宮文化協会会長をしているが、もともと伊勢の出身で、猿田彦神社の社家である宇治土公家に出生した方。氏はその因縁をもって、昭和48年の第60回正遷宮の際、大阪から伊勢まで伊勢参宮本街道を踏破し、さらに平成5年の61回の時にも同じ道筋を歩いたと聞いている。 そして現在、次回の正遷宮を目ざして、3回目の本街道歩きを始めたとのこと。 |
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