神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
神社界あれこれ

都心での観月の夕べ
日枝神社で「仲秋管絃祭」


   江戸を鎮守する東京・永田町の日枝神社で9月14日夕、恒例の「仲秋管絃祭」が開かれ、多くの参拝者が本殿前に施設された舞台で繰り広げられる管絃や舞など、雅楽の雅に浸った。
  旧暦8月15日、「仲秋の名月」の日に開かれる同神社「仲秋管絃祭」は今回で41回目。今年は天候も穏やかな快適な夕べとなった。舞台隅には月見のススキやワレモコウなどの秋の花が飾り付けられ、都心のビル群の一角には時折、十五夜の満月が顔を覗かせた。
  まずは神前で祭儀があり、続いて山王祭奉祝のために作曲された力強い「山王太鼓」が披露された。
  続いて小野雅楽会や巫女らによる管絃「雙調音取」「鳥急」「武徳楽」、神楽舞「剣の舞」「悠久の舞」「日枝の舞」、舞楽「振鉾」「甘州」「敷手」が奉演され、神慮を和めるとともに、万民和楽を祈った。

御屋根葺替え進む
「鎮座百二十年」に向け
橿原神宮

  奈良県の橿原神宮は平成22年の御鎮座120年記念大祭に向けて「御屋根葺替え事業」を進めている。近年の崇敬会館や休憩所の建設、境内全域の森林整備などにつらなるもので、御祭神である初代・神武天皇の御神徳を宣揚する森厳崇高な神域をますます顕現させる。
  同神宮の御造営と境内整備に関しては、その初期において、全国多数の崇敬者による懇篤なる奉仕や献木が寄せられた歴史がある。




お札で作った「福銭」
「十日戎」の笹に付ける縁起物に
今宮戎神社

  商売繁盛の神様、大阪の今宮戎神社で正月9、10、11日に斎行される「十日戎」は例年百万人の参詣者で賑わう。
  この「十日戎」で参詣者が福娘さんから笹に付けてもらう神社授与の縁起物を「吉兆」というが、今年から新たな「吉兆」が一つ、加わっている。
 本物のお札で作った「福銭」がそれで、使えなくなって回収された千円から一万円までのお札の裁断屑を再利用して作られたもの。よく観察すると、お札の模様が出ていて、それと分かる。「福銭」一つあたりに約15枚分が配合されているという。 もちろん、この授与品の製造に関しては、日本銀行や国立印刷局とは一切関係ない。
  今年も残すところ1ヵ月余。新年の「十日戎」でもまさに「商売繁盛」を象徴する「福銭」に人気が高まりそうだ。


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