神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
インターナショナル・シントウ・ファウンデーション
ニューヨーク便り

東洋インキ社
テキサス工場で竣工祭

 昨年10月15日、ISFは、テキサス州ブライアン市所在の東洋インキマニュフェクチュアリング・アメリカ(以下東洋インキ社)のテキサス工場の竣工式を執り行った。昨年10月に同地の地鎮祭をISFが執り行ったため、今回の竣工式も執行することになったもの。
 当日は、東洋インキ社日本の佐久間国雄社長、同アメリカ社の伊藤富佐雄社長をはじめとする会社関係者、工事関係者、来賓者など約百名が参列し、竣工への感謝と共に、今後の同工場の安全な操業と発展を一同揃って祈願した。
 式を執り行った太田垣ISFオフィサーは、「参列された方々は礼儀正しくて気配りも良く、素晴らしい会社を築いていく要素は「心」なのだなと認識させられた。祭典にはブライアン市の市長、メディア関係者はじめ多くのアメリカ人も列席されたが、所作のすべてに敬意が見られ、感心させられた」と感想を述べた。さらに、「グローバルな環境においても日本文化をしっかりと保持する伝統をもち、高い企業理念を築き得ている事こそ、同社が高い評価や業績を得ている一因ではなかろうか。伝統を重んじるところには常に活気がある」と話した。

神道結婚式を挙行
ブロンクスのボタニカルガーデンで

 10月18日にはニューヨーク市ブロンクス地区にある広大な植物園、ニューヨーク・ボタニカル・ガーデンで着物ショーが開催された。この着物ショーはNY在住の日本人が組織する着物ソサイエティの主催で、おりしも菊展が行われているこの時期に、着物文化を日本の通過儀礼に沿ってアメリカ人などに紹介しようという趣旨で開催されたもの。
 着物をきたあでやかなモデルさん達が登場した後に、七五三について紹介があり、着物姿の子供達の可愛らしい姿が並ぶと大きな拍手がわき、ご両親たちの顔も喜びにあふれていた。
 ISFは人生儀礼の中でも結婚式を担当、実際に神前結婚式を執り行った。新郎新婦はISF職員の林原礼奈さんとご主人のロバート・ソシンスキーさん。お二人がまさに挙式を予定していたときにこの話がもちあがったため、正式な神前結婚式を執り行うこととなったもの。
 お二人は約200名の観客が見守るなか、天理ニューヨークセンター雅楽部による雅楽をバックに、三々九度の杯と誓いの言葉で末永い幸せを神様に祈られた。

ニューヨークとワシントンDCで国際七五三

 10月25日と26日、ニューヨーク市ジャパン・ソサエティのホールにおいて、毎年恒例の「国際七五三」の祭儀が執り行われた。また翌週の11月1日、2日にはワシントンDC地区の天心一流道場で、同様に国際七五三が行われた。
 祭儀は両場所、両日とも午前、午後の2回、計4回執り行われ、ニューヨークでは130名の子供達とそのご家族で約430名、DC地区では30名の子供達とそのご家族の120名が参列し、賑わった。
 国際七五三は、NYではジャパン・ソサエティの協賛、国連日本代表部、在NY日本総領事館などの後援により今年で9回目を迎え、NYの秋の風物詩としてすっかり定着している。ワシントン地区では今年で2回目であるが、日米協会と日本大使館の後援を頂いて小規模でのスタートながら着実に参列者も増え広まりつつある。
 子どもたちも国際色豊かで、多くは華やかな着物姿に身をつつみ、元気に参列。斎主の太田垣オフィサーが子供達の健康と幸せを祈願する祝詞を奏上した後、一人ずつ名前を読み上げると、家族ごとに神前に慎んで拝礼、千歳飴が授与された。最後に太田垣斎主がお祝いの言葉と、七五三の由来や千歳飴の袋に描かれている縁起物の意味を説明。こうした人生の通過儀礼をご家族の愛情に包まれて経験した思い出こそ他人に対する優しさやいたわりの心を育むと語り、和やかな雰囲気の中で式典は終了した。
 国際七五三では、参加費の一部をユニセフ(国連児童基金)に寄付している。今年は1300ドルとなり、ユニセフから感謝状が届いている。

NYセンターに新オフィサーが着任
太田垣亘世氏の後任に中西正史氏


 ISFのニューヨークセンターで二年弱にわたってオフィサーを務められた太田垣亘世氏がこのほど退任され、後任のオフィサーとして中西正史氏が着任された。
 それに伴い、神道フォーラムでは、太田垣氏から離任の、また中西氏からは就任の挨拶を寄せていただいた。

帰国のご挨拶  太田垣亘世

 昨年11月末をもちまして約2年の任期を終え日本に帰国いたしました。
 NYでの在任中に、祭儀、レクチャー、ご参拝などを通してご縁を頂戴した皆様には、公私共々大変お世話になり、神職としての活動を中心に充実したNY生活を過ごすことができました。感謝申し上げます。
 1月からは実家である兵庫県尼崎市のえびす神社で神に奉仕する生活をしております。NYでの経験を生かし引き続き神道、日本文化紹介を祭儀、教育を通して尽力する所存でございます。
 後任として神職の中西正史がISFの活動を担っていきますので、私同様ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

新任のご挨拶 中西正史

   この度、ISF・NYセンターにオフィサーとして就任致しました中西正史と申します。世界中のあらゆる人々や文化の坩堝とされるNYで活動できる喜びを噛み締めつつ、精一杯日々の奉仕に励んでゆく所存です。
   NYは世界の諸問題が話し合われる国際連合の所在地でもあり、その国連傘下のNGOであるISFの一員として、国連という場を通じ国際社会に神道の考え方や概念を発信していければと考えています。
   小生は、三重県伊勢市の伊勢神宮外宮の敷地内にある神職職舎で生まれ育ち、國學院大學大学院にて宗教学を専攻しつつカリフォルニア大学大学院に協定留学し、英語圏における神道研究を修士論文にまとめました。また大学院在学中に神職課程を修了、東京の明治神宮にて神職としての道を歩みはじめ、愛知県の尾張一宮真清田神社奉職を経て、現在は埼玉県の秩父神社に神職として在籍しています。
 神道は、日本固有の民族宗教という固定観念もあり、日本人以外の方々にとってまだまだ未知の世界であるのが現状です。これからNYに駐在する神職として、出来る限り神道の内面も分かってもらえるような活動を心がけていきたいと思っております。今後は紙面の「ISFだより」にて日々の活動をご報告していきますので、何卒宜しくお願いいたします。


※写真、今後の予定などは ISFホームページに掲載。
Copyright(C) 2008 ISF all rights reserved
当ウェブサイト内の文章および画像の無断使用・転載を禁止します。