神道国際学会会報:神道フォーラム掲載
日々雑感 :梅田善美理事長

  この号の発行日の1週間前、本会は国際シンポジウム「体育としての武道の精神的・実用的価値」を東京の日本青年館で開催した。詳報は次号でお読みいただくが、それにさきだち、このシンポジウムの企画がどのように進んだか、をご披露して予告編にしたい。
 昨年3月15日、インターナショナル・シントウ・ファウンデーション(ISF)は東京・有楽町駅前の「日本外国特派員協会(通称プレスクラブ)」で英語による神道コロキアム「靖国―菊の帳のかげで」を開催した。講師は本会理事のジョン・ブリーン博士。当日は、在日大使館や外国通信社などからの出席があって、会場は満員だった。そのなかで前列に陣取りするどい質問をあびせていたのは、エリ・コーヘン駐日イスラエル大使だった。そのときがきっかけで、大使公邸や建国記念パーティに招いていただき、親しくお話しするうちに、大使が空手の名手であり東京着任早々、居合道も研鑽していることを知った。
 10月には再びプレスクラブで、國弘正雄教授にお願いして「一神教と多神教」をテーマにした英語コロキアムを開いた。このときに参加された大使館関係者の中に駐日のチュニジア大使とモンゴル大使のお顔があり、名刺交換した。
 その前月の九月には「神社新報」にポーランド大使館の公使参事官が伊勢神宮に参拝した記事が掲載され、そのなかで、日本の武道が現代社会にとって必要なものだ、という意見が述べられていた。
 そのころ、ニューヨークの国連本部は、2005年を「スポーツと体育の国際年」として、スポーツを教育・健康・開発・平和に役立てようと提唱した。ISFと神道国際学会は、国連公認NGOとしてそれに協力して、東京で「武道と体育」をテーマにしたシンポジウムを開催しようと企画をはじめた。
 その時、頭に浮かんだのが、空手の名手であるコーヘン大使、国連「スポーツと体育の国際年」の提唱国であるチュニジア共和国のハンナシ大使、アジアでも指折りの親日国で、日本の相撲の世界で数多くのしかも高位の力士を輩出しているモンゴル共和国、それに伊勢についてすばらしい記事を書かれたポーランドのロドヴィッチ公使参事官のことだった。昨年こうした方々に次々とお知り合いになったのは、神様のお仕組にちがいない。
 わたしは、イスラエル、チュニジア、モンゴル、ポーランドの大使館を訪ねて、ISFの国際シンポジウム「体育としての武道の精神的・実用的価値」の後援と、同時に大使や公使の出講を依頼し、それぞれに快諾を得た。日本文化に深い理解をもつこれらの国の外交官が、はたしてどのようなお話をされたのか、それは次号のお楽しみである。  (梅田善美)



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